2026/7/27
第三夜 プラネタリウムの嘘
「星、好きなんだ」
そう言ってしまってから、彼女は少し後悔した。本当は、星のことなんてよく知らない。
ただ、彼がプラネタリウムのチラシを長いこと見ていたから。
暗がりの中、つくりものの星が天井いっぱいに灯る。となりの席から、小さな寝息が聞こえてきたのは、上映が始まって十分後のこと。
──なんだ、あなたも詳しくないんじゃない。
彼女は笑いをかみ殺して、つくりものの星を、ひとりでゆっくり数えはじめた。
嘘からはじまる夜も、たまには悪くない。
(つづく)

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