こもれび

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2026/7/21

第一夜 終電、ひとつ前

終電のひとつ前。彼女はいつも、その電車に乗る。

理由は簡単で、そのほうが座れるから。──と、本人は言う。

でも本当は、同じ車両に乗ってくる人がいるからだ。

名前も知らない。声も聞いたことがない。ただ、三番目のドアから乗ってきて、七つ目の駅で降りる。それだけ。

きょうは、その人が乗ってこなかった。

たったそれだけのことで、世界はずいぶん静かに見えるのだと、彼女ははじめて知った。

(つづく)

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